木曽エリアは、深い谷と標高の高い地形に囲まれ、長野県の中でも特に冷え込みが厳しい地域です。その寒さを活かすように、冬になると滝の水が力強く凍りつき、迫力ある氷瀑が姿を現します。
木曽の氷瀑は、氷の厚みや規模感が際立つものが多く、自然の厳しさをそのまま感じられるのが特徴です。一方で、登山装備が必須というわけではなく、林道や遊歩道から比較的短時間でアクセスできる滝もあり、条件を選べば初めての人でも冬の氷瀑を体感できます。
本記事では、木曽エリアに点在する氷瀑の中から、冬でも訪れやすい滝を中心に紹介します。木曽ならではの地形が生み出す氷の景色とあわせて、移動の目安や注意点も整理しています。
初めて氷瀑を見に行く方や、次の冬旅の行き先を探している方の参考になれば幸いです!
本記事では木曽エリアの氷瀑を紹介していますが、
蓼科エリア、北信・中信・南信エリアの氷瀑をまとめた記事も別で紹介しています。
そちらも、是非ご参考ください。
長野で見られる氷瀑とは?初心者にもおすすめな理由
氷瀑とは何か
氷瀑とは、滝や岩壁を流れる水が冬の厳しい寒さによって凍結し、巨大な氷の造形となって現れる自然現象です。水の流れがそのまま氷として固定されるため、氷の厚みや形はその年の気温や水量によって大きく変わります。同じ滝であっても毎年異なる姿を見せるのが氷瀑の魅力です。
白く覆われた滝全体が凍りつくものもあれば、岩壁に沿って氷柱が連なるタイプもあり、その表情はさまざまです。冬だけにしか見ることができない、期間限定の自然美として多くの人を惹きつけています。
長野県が氷瀑に適している理由
長野県は標高が高い地域が多く、冬の冷え込みが非常に厳しいことから、氷瀑が形成されやすい環境が整っています。内陸性の気候により気温が下がりやすく、滝の水が凍結しやすいのが特徴です。
また、山岳地帯だけでなく渓谷や里山にも滝が点在しているため、雪山登山をしなくても氷瀑を鑑賞できる場所が多くあります。遊歩道や林道が整備されているスポットもあり、冬の自然を身近に感じられる点が、長野ならではの魅力といえるでしょう。
この記事で紹介する氷瀑の特徴
この記事では、初めて氷瀑を見に行く人でも無理なく楽しめる滝を中心に紹介しています。選定のポイントは、登山経験がなくてもアクセスしやすいこと、短時間の徒歩で到達できること、安全に鑑賞できる環境が整っていることです。
氷瀑は本来、厳冬期の山奥で見られるイメージがありますが、長野には観光やハイキング感覚で訪れやすいスポットも存在します。この記事を通して、冬の自然を楽しむ第一歩として、気軽に氷瀑に触れてもらえることを目的としています。
木曽エリアで見られる迫力の氷瀑
御嶽山の麓に広がる木曽エリアは、標高が高く冬の冷え込みが非常に厳しい地域です。そのため、長野県内でも特に氷瀑が形成されやすく、迫力ある氷の景色を楽しめるスポットが点在しています。
山奥のイメージが強い木曽ですが、実際には比較的短時間の徒歩で到達できる滝もあり、初めて氷瀑を見に行く人にも挑戦しやすいエリアといえるでしょう。
木曽エリアの氷瀑の見頃時期
木曽エリアの氷瀑は、標高が高く冷え込みが厳しいため、長野県内でも比較的安定して氷瀑が形成されやすいエリアです。見頃の目安は、例年1月中旬から2月中旬頃。寒波が続いた年には、12月下旬から氷結が始まることもあります。
特に気温が低い朝の時間帯は、氷が締まり、白く厚みのある氷瀑や透明感のある氷柱を楽しめる確率が高くなります。日中に気温が上がると、氷の状態が変化したり、落氷の危険が高まる場合もあるため、無理のない時間帯での鑑賞がおすすめです。
新滝(王滝村)
「清滝(きよたき)」と「新滝(しんたき)」は御岳山の3合目付近に位置し、豊かな自然と清らかな水に囲まれた木曽町を代表する滝の名所です。
新滝は、木曽エリアを代表する冬の名瀑として知られています。寒さが本格化すると、勢いよく流れていた滝の水が徐々に凍りつき、高さのある巨大な氷瀑へと姿を変えます。滝全体が白く覆われる光景は圧巻で、氷瀑ならではのスケール感と迫力を間近で体感できます。

水量が多い滝のため、氷に厚みが出やすく、条件が整った年には非常に見応えのある氷瀑となります。冬の冷え込みが強い朝や寒波の後には、氷の表面が引き締まり、重厚感のある冬景色を楽しめるのも魅力です。
また、新滝は滝の裏側からも見ることができることから、「裏見滝」とも呼ばれています。
氷に覆われた滝の奥には、小さな宮(祠)が祀られており、分厚い氷と岩に囲まれた空間は、外の冷たい空気とは異なる独特の静けさに包まれ、神聖で厳かな雰囲気を感じさせます。

氷瀑の力強さと、滝裏にひっそりと佇む宮の存在。この対照的な二つの要素が、新滝の冬景色をより印象的なものにしています。ただ美しいだけでなく、自然と信仰が重なり合う特別な空間を体感できることが、新滝の氷瀑の大きな魅力です。

新滝(王滝村)の駐車場
新滝の近くには小規模な駐車スペースがあり、数台分の駐車が可能です。滝へはその駐車場から徒歩でアクセスできます。駐車場はやや狭いため、冬季は雪の影響で満車になりやすい点に注意してください。車は普通車5台程度停められるスペースが目安とされています。
清滝(王滝村)
清滝は、新滝とあわせて訪れたい木曽エリアの氷瀑スポットです。岩壁を伝うように流れる水が凍結し、複雑で繊細な氷の造形を作り出します。新滝の豪快な氷瀑とは対照的に、静かで落ち着いた雰囲気の中で氷景色を楽しめる滝です。
新滝は水量が多いため、厳寒期でも氷瀑が完全に形成されないことがあります。一方で清滝は流れが繊細なため、新滝が未形成の時期でも美しい氷瀑が見られることがあります。

滝の周囲には岩壁や樹林が広がり、氷と自然が一体となった冬ならではの風景が広がります。人が比較的少なく、ゆっくりと氷瀑を鑑賞しやすい点も魅力で、落ち着いた雰囲気の中で木曽の冬を感じたい人におすすめです。
清滝は高さ30m、古くから滝行が行われることで知られています。昔、御嶽山に登るには「百日精進潔斎」(100日間修業をし、身を清める)をおこなわなければ、登拝は許されないという厳しい伝統がありました。今でも、夏になると滝にうたれる信者さんの姿を見かけることができるそうです。

清滝(王滝村)の駐車場
清滝周辺にも駐車可能なスペースがあります。田の原方面へ向かう県道沿いに清滝入口付近の駐車場が設けられており、そこから滝までは徒歩でアクセスします。ただし、駐車場は比較的狭いし、積雪や凍結で駐車できない箇所もでてきて、駐車場が満車になることもあるため、時間に余裕を持って向かうと安心です。

白川氷柱群(木曽町三岳)
白川氷柱群は、自然の滝が凍ってできる氷瀑とは異なり、氷柱が並ぶ冬の名所です。

木曽御嶽山からの伏流水で、西野川右岸の崖の上や壁面から流れ出す地下水が、岩肌を伝って凍りつき、氷柱へと成長します。厳冬期に-10℃~-20℃にもなる木曽の厳しい寒さによって、水が染み出しては凍ることを繰り返し、最大幅250m、高さ50mにも達する青白い巨大な「氷のカーテン」を形成します。木曽の真冬は気温が-10~-20℃にもなります。
青白い氷河のような氷の造形美は壮観です。
小坂温泉 けやきの湯の駐車場や私有地らしきところを通って、河原に降りると目の前にその「氷のカーテン」現れます。巨大な氷柱が連なって立ち並ぶ光景は迫力があり、木曽の冬を代表する氷の景色のひとつとなっています。
短時間の散策で鑑賞でき、歩行距離も比較的短いため、体力に不安がある人や初心者でも訪れやすいのが特徴です。ダイナミックな氷景色を楽しめるため、新滝や清滝とあわせて巡ることで、木曽エリアの多彩な冬の氷の魅力をより深く味わうことができます。
『白川氷柱群ライトアップ』が1月上旬から2月下旬まで今年も開催。
最低気温が−10℃~-20℃まで下がる厳冬期に、岩肌に染み出た御嶽山からの湧水が凍りつき形成される美しい氷のカーテンが、日没後にライトアップ。光に照らされ、青みを帯びた氷柱たちが、木曽の大自然が持つ荘厳さを感じさせます。
開催期間は気候により変動するため、公式HPを要確認。
白川氷柱群(木曽町三岳)の駐車場
白川氷柱群は、小坂温泉 けやきの湯旅館の駐車場や私有地らしきところを通っていきますが、その温泉旅館の駐車場が空いていれば使わせてもらえます。宿の人に声をかけてくださいとの事です。
お客様がいるときは、迷惑かなと心配になるので、時間帯によっては、5分ほど離れた所にある駐車場を利用した方がいいかもしれません。道路から少し下がったところに旅館の駐車場があるのですが、道路脇にも10台ほどが停められる駐車場スペースがあります。歩いて5分程度です。

木曽エリア氷瀑モデルコース|新滝・清滝・白川氷柱群を巡る
木曽エリアを代表する氷瀑スポットである「新滝」「清滝」「白川氷柱群」を、無理のない移動距離で巡る初心者向けモデルコースです。いずれも駐車場からの徒歩距離が短く、雪山登山をしなくても冬の氷景色を楽しめます。
「白川氷柱群」は、「新滝」・「清滝」から車で30~40分離れたところにありますので、「白川氷柱群」→「新滝」「清滝」、またはその逆をまわるのがおすすめです。
ここでは、「新滝」「清滝」→「白川氷柱群」のモデルコースを紹介します。
「新滝」「清滝」は御嶽山ふもとから行くと、清滝→新滝の順番ですが、上から順に観て、最後に「白川氷柱群」をみるというコースです。
木曽エリア氷瀑モデルコース概要
・移動はすべて車
・徒歩距離が短く、半日で巡れる行程
・氷瀑と氷柱、異なる氷の表情を一度に楽しめる
① 新滝(王滝村)
木曽エリアの氷瀑巡りは、新滝からスタートするのがおすすめです。メイン道路となる国道19号から王滝村・御嶽山方面へ分岐し、県道20号(木曽福島御嶽山線)を進むと、新滝方面の案内看板が現れます。案内に従って進むと、滝入口付近に駐車スペースがあり、初めて訪れる場合でも比較的迷いにくいルートです。
冬季は道路が圧雪・凍結していることが多いため、スタッドレスタイヤは必須です。カーブや日陰区間では特に路面が滑りやすくなるため、慎重な運転を心がけましょう。
駐車場から新滝までは徒歩でアクセスします。歩行距離は短く、雪山登山をする必要はありませんが、足元は凍結しやすいため滑り止めの装着がおすすめです。
・徒歩所要時間:駐車場から約10分
・滞在目安:20〜30分
② 清滝(王滝村)
新滝をみたあとは、来た道を戻り、車で清滝へ向かいます。
新滝の駐車場を出たら、来た道をそのまま戻り、数分進むと清滝方面の案内看板が現れるので、その案内に従って脇道へ入ります。
そのまま進むと清滝専用の駐車場に到着します。駐車場から清滝までは徒歩で数分ほどです。
清滝の看板を見過ごさなければ、数分で清滝入口付近に到着します。新滝と同じく、清滝周辺にも小規模な駐車スペースがあり、そこから徒歩で滝へ向かいます。

冬季は分かれ道付近や林に囲まれた区間が日陰になりやすく、路面が凍結しやすいです。スピードを落とし、慎重に走行しましょう。
清滝は新滝よりもコンパクトな滝ですが、岩壁に張り付くように形成される氷瀑が美しく、静かな雰囲気の中で冬の滝景色を楽しめます。人が少ないことも多く、落ち着いて鑑賞できるスポットです。
清滝は高さ30m、古くから滝行が行われることで知られています。
昔、御嶽山に登るには「百日精進潔斎」(100日間修業をし、身を清める)をおこなわなければ、登拝は許されないという厳しい伝統がありました。今でも、夏になると滝にうたれる信者さんの姿を見かけることができます。
・新滝からの移動時間:車で約5分
・徒歩所要時間:駐車場から約5〜10分
・滞在目安:15〜20分
③ 白川氷柱群(木曽町三岳)
清滝をみたあとは、国道19号方面へ戻り、木曽町三岳にある白川氷柱群へ向かいます。王滝村から国道19号に合流したら、木曽町方面へ進みます。
国道19号を走行中、信号「元橋」を左に曲がります。白川沿いの道路を進むと、氷柱群が遠目に見えてくるエリアに到着します。小さめの「けやきの湯」の看板+「営業中」ののぼりが見えたら、左の脇道に入ります。そこから1分程度でけやきの湯の駐車場につきます。
駐車位置から白川氷柱群までは徒歩で数分程度と近く、歩行距離が短いのが嬉しいポイントです。
こののぼりのあたりにも10台ほど停められる駐車場があります。旅館の駐車場はあまり広くないないので、ここに停めて歩いていってもさほど苦にはならない距離です。

・清滝からの移動時間:車で約30〜40分
・徒歩所要時間:駐車場所から約3〜5分
・滞在目安:20〜30分
木曽エリア氷瀑モデルコース全体の所要時間目安
・総移動時間(車):約40〜50分
・徒歩+鑑賞時間:約1時間〜1時間20分
・合計所要時間:約2時間〜2時間30分
氷瀑鑑賞における注意点
・見頃は1月中旬〜2月中旬が目安
・朝の冷え込みが強い時間帯ほど氷の状態が良い
・各スポットとも足元が凍結しやすいため、滑り止めは必須
・天候や道路状況によっては無理せず引き返す判断も大切
初心者が氷瀑を見に行く際の注意点
氷瀑は冬ならではの絶景ですが、雪や氷のある環境での観賞には注意点もあります。ここでは、初めて氷瀑を見に行く人が安心して楽しむために、最低限押さえておきたいポイントを紹介します。
足元の凍結対策は必須
氷瀑が見られる場所では、遊歩道や滝周辺が凍結していることが多く、滑りやすくなっています。短い距離とはいっても、上り下りがあり、遊歩道の階段は雪が積もり踏み固められて、ただの滑る坂になっている箇所もあります。
滑り止め(軽アイゼンやチェーンスパイク)の携行は必須です。スニーカーや滑りやすい靴は避け、冬用のトレッキングシューズや防水性のある靴を選ぶと安心です。
防寒対策は想像以上にしっかりと
滝の周辺は水しぶきや冷気の影響で、気温以上に寒く感じることがあります。ダウンや中綿入りのアウターに加え、手袋・ニット帽・ネックウォーマーなどの小物も準備しておきましょう。立ち止まって鑑賞する時間が長くなるため、防寒対策は「少し暑いかな」と思うくらいがちょうど良い場合もあります。
天候と氷結状況を事前に確認する
氷瀑は自然現象のため、毎年必ず同じ状態で見られるとは限りません。気温が高い日が続くと十分に凍結しないこともあります。訪れる前には、現地の観光協会や公式サイト、最近の訪問情報などを確認し、氷の状態や天候を把握しておくことが大切です。
無理に近づかず安全な場所から鑑賞する
迫力ある氷瀑を間近で見たくなる気持ちはありますが、氷の下や真下に入り込むのはかなり危険です。気温の変化によって氷が落下する可能性もあるため、必ず遊歩道や展望ポイントなど、安全が確保された場所から鑑賞しましょう。
明るい時間帯に行動する
冬は日照時間が短く、午後になると一気に暗くなります。初心者の場合は、明るい時間帯に行動を終えられるよう、午前中からの訪問がおすすめです。暗くなると足元の凍結が見えにくくなり、転倒のリスクが高まります。
体調と体力に合わせた無理のない計画を
氷瀑スポットの多くは短時間でアクセスできますが、雪道の歩行は思った以上に体力を使います。少しでも不安を感じた場合は無理をせず、引き返す判断も大切です。初心者は、歩行距離が短く、整備された遊歩道のある場所を選ぶと安心して楽しめます。
駐車場について
どの滝の近くにも、無料駐車場があります。氷瀑シーズンは冬季(1〜2月)で道路や駐車場は混雑しやすいです。また、駐車場や路肩は雪で狭くなっている場合があるので、冬用タイヤや雪道装備で安全運転を心がけましょう。満車の場合は少し離れたスペースに停めて、徒歩で向かう選択肢も考えておくと安心です。
※冬季は除雪状況によって駐車可能な場所が変わるため、無理な路肩駐車は避けましょう。
木曽を中心に巡る氷瀑の魅力まとめ
木曽エリアには、新滝や清滝、白川氷柱群といった、冬ならではの迫力ある氷瀑スポットが点在しています。いずれも駐車場からの徒歩距離が比較的短く、雪山登山をしなくても氷瀑や氷柱を間近で楽しめる点が大きな魅力です。
見頃は例年1月中旬から2月中旬頃。寒波が続いた後の朝は、氷が締まり、白く美しい氷瀑が完成度の高い姿を見せてくれます。新滝と清滝は距離が近く、車で無理なく巡れるため、初めての氷瀑巡りにも適した組み合わせです。さらに白川氷柱群を加えることで、滝とは異なる氷の造形美も楽しめます。
一方で、冬季は道路や遊歩道の凍結、駐車スペースの制限など、注意すべき点もあります。スタッドレスタイヤや滑り止めなどの基本装備を整え、天候や路面状況を確認しながら、無理のない行程を心がけることが大切です。
木曽エリアの氷瀑は、静かな環境で自然が作り出す冬の絶景をじっくり味わえるのが魅力です。初心者でも安心して挑戦できるスポットから、ぜひ長野の冬ならではの氷景色を体感してみてください。




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