諏訪大社四社巡りは、長野県だけならず日本を代表するパワースポットを一度に巡る参拝ルートです。上社と下社に分かれた四社には、それぞれ異なる魅力やご利益があり、歴史や神話を知ることで巡礼の深みが増します。しかし、初めて訪れる人にとっては見どころの選び方や回り方、駐車場情報など分かりにくい点も多くあります。この記事では四社巡りをスムーズに楽しむためのポイントを分かりやすくまとめました。
諏訪大社四社巡りとは?基本情報と特徴を分かりやすく解説
諏訪大社は、諏訪湖の南に位置する上社(前宮と本宮)と北側の下社(春宮と秋宮)の二社四宮で構成される、全国25,000か所もある諏訪神社の総本社です。
しかもそれぞれが離れて鎮座しています。諏訪湖を挟んで上社と下社に分かれていて、それぞれが2つのお宮を有している珍しい神社です。
上社には、本宮と前宮、下社には、秋宮と春宮があります。
長野県に住んでる人でも、上社下社があるのは知っているが、合計四社あることは知らなかったり、前宮・本宮・秋宮・春宮が上社なのか下社なのか知らない人もいます。四社の位置関係や成り立ちを知ることで、参拝体験がより深まり、神聖な時間を過ごすことができます。
四社巡りの概要と成り立ち
諏訪大社四社巡りは、上社と下社に分かれた四つの神社を順に参拝する伝統的な巡礼です。古くから地域の信仰を支えてきた歴史を持ち、それぞれが独自の役割を担っています。四社をめぐることで、諏訪信仰の奥深さと文化的価値を体感できます。
四社それぞれの役割と位置関係
四社は諏訪湖を囲むように配置され、地域の自然と密接に結びついた配置が特徴です。上社が山側、下社が湖側に位置し、どちらも異なる雰囲気を持ちます。この位置関係を理解すると、参拝ルートの全体像が掴みやすくなり、より効率的に巡ることができます。

四社巡りが人気の理由
四社巡りが人気なのは、自然と歴史、神話に触れながら巡礼できる点にあります。風景と神聖さが調和した空間での参拝は特別な体験につながり、近年ではパワースポットとしても注目されています。四社すべてを巡る達成感も、多くの参拝者を惹きつける理由の一つです。
初めてでも分かる巡り方のポイント
初めて四社巡りをする場合は、位置関係を把握し、効率よく回る順番を確認しておくことが大切です。一般的には上社本宮から前宮へ、続いて下社春宮から秋宮へ巡るルートが人気です。移動距離が短く、初めてでも迷いにくいのが特徴です。個人的には、上社前宮から本宮へ、下社のある下諏訪町へ移動して、ランチ後に、下社春宮から秋宮を巡るのが好きです。
四社巡りのベストシーズン
四社巡りのベストシーズンは春から秋にかけてで、気候が安定し、参拝しやすい環境が整っています。特に新緑や紅葉の季節は自然美が際立ち、境内を歩くだけで心地よい時間を過ごせます。冬季は雪景色が美しいですが、防寒対策が必須です。
四社巡りで押さえておくべき基礎知識
参拝の基本作法や各宮での注意点は事前に知っておくと安心です。四社はそれぞれ独自の文化を持ち、違った雰囲気を楽しめます。混雑時間や駐車場情報も確認しておけば、スムーズな参拝が可能となります。
諏訪大社参拝の心得
諏訪大社では静かに参拝し、自然と神域に敬意を払う姿勢が大切です。境内の散策では、古い社殿や巨木など、地域の文化を象徴するスポットを見逃さないようにしましょう。心を落ち着かせて巡ることで、より深い参拝体験が得られます。
諏訪大社四社巡りの魅力とご利益
諏訪大社四社巡りは、自然と神話が重なる独特の雰囲気の中で参拝ができ、訪れる人に深い癒しと充実感を与える魅力があります。四社それぞれが異なるご利益を持つため、すべてを巡ることで心身の浄化や願い事成就など、多角的なパワーを得られるとされています。
四社巡りで得られる主なご利益
諏訪大社は古くから農業守護・武運・開運の神として信仰されてきました。四社巡りを通じて得られるご利益には、家内安全や健康祈願、仕事運の向上など多岐にわたるものがあります。各宮ごとに祀られている神の特徴が異なるため、全てを参拝することで総合的な加護を受けられるといわれています。
参拝者が感じる魅力や体験談
多くの参拝者が、四社を巡ることで心が整い、自然のエネルギーに癒される感覚を語っています。境内の静けさや清らかな空気が印象的で、特に早朝や夕方は神聖な雰囲気がより高まります。四社それぞれに違った表情があり、回るごとに新しい発見があるのも魅力です。
心身を整える巡礼の効果
四社巡りは単なる観光ではなく、心身を整える巡礼の時間としても人気です。歩く距離や自然豊かな景観が心をリセットさせ、静かに向き合う時間が日常のリフレッシュにつながります。参拝後に気持ちが軽くなる、前向きになれるという声も多く、精神的な癒しを求める人にもおすすめです。
四社巡りで知っておきたい歴史・神話・祭事
諏訪大社四社巡りをより深く味わうためには、長い歴史と独自の神話、そして年間を通じて行われる祭事について知っておくと理解が深まります。古代から続く諏訪信仰は地域の文化や生活と密接に結びつき、四社の成り立ちや役割にも大きく影響しています。
諏訪信仰の起源と歴史
諏訪大社の歴史は、古事記の国譲りの神話にまで遡る日本最古級ともいわれています。古来より自然崇拝の中心として栄え、武将や民衆からも厚く信仰されてきました。本殿を持たず、自然そのものをご神体とする古い信仰の形を現在に伝えています。
建御名方命と諏訪神話
諏訪大社の主祭神である建御名方命にまつわる神話は、信州の自然と深く関わっています。国譲りの神話で知られる建御名方命が諏訪の地にとどまったとされ、その逸話は諏訪信仰の基盤となっています。四社それぞれに神話的背景があり、知ることで参拝の意味が一層深まります。
一般には古くから上社に男神様(建御名方神)、下社に女神様(八坂刀売神)をお祀りしているといわれていますが、これはかの有名な御神渡(湖に張った氷に亀裂が入り、巨大な氷の筋が山脈上に湖面を走る現象)は上社の男神様が下社の女神様のもとへ通う道だとする伝説とも関係している
年間を通じて行われる主要祭事
大社の恒例神事は例大祭を含む7回の大祭をはじめ、
関係する摂社末社の神事まで、年間200以上の祭典が執り行われています。
諏訪大社がとりおこなう神事の中でも、境内で拝観できる行事はこちらで紹介しています。
参加すると厳かな気持ちになります。祭事に合わせて、旅行のタイミングを決めるのもいいですね。
多くの祭事がありますが、中でも有名なのが、日本三大奇祭のひとつで、七年に一度開催される御柱祭です。巨大な御柱を山から曳き出し、境内に建てる壮大な神事で、古来より続く伝統を象徴しています。このほかにも季節ごとに祭事が行われ、地域の生活と密接に結びついています。

7年に1度開催される御柱祭りの様子(里曳)
茅野市HPより
また、諏訪大社下社では、半年に一度、8月1日に春宮から秋宮へ、2月1日には秋宮から春宮へ神様を遷す神事、遷座祭が行われます。8月の遷座祭の前夜には宵祭りが行われ、長持ちや神輿などのパレードが華やかに行われるほか、遷座祭当日には、柴舟とよばれる長さ約10メートル、重さ約5トンもの巨大な舟を曳行する「お舟祭り」が開催され、町中が熱気に包まれます。
下諏訪町の観光案内ホームページの「イベントページ」でお知らせされますので、お出かけ前に確認しましょう。下諏訪のイベント情報

諏訪大社上社前宮・本宮の見どころ
諏訪大社の上社本宮と前宮は、四社巡りの中でも特に歴史と神聖さを強く感じられるスポットです。壮麗な境内や自然と調和した社殿は見応えがあり、訪れる人に深い感動を与えます。それぞれの宮が持つ個性を知ることで、上社参拝の魅力が一層高まります。
上社前宮の神聖な雰囲気と魅力

前宮は素朴で静かな雰囲気が魅力で、自然の中に社殿が溶け込んでいるような神聖さがあります。本宮とは異なる素朴な佇まいが特徴で、古代の神殿を思わせるような空気が流れています。
諏訪大社のご祭神である建御名方神(たけみなかたのかみ)が最初に居を構えた地といわれ、諏訪信仰発祥の地ともいわれています。
実は諏訪大社の他の三社には本殿がありません。本殿を有するのはこの前宮だけです。静かにゆっくりと宮の周りを歩きながら、神域の空気を味わえるのも前宮ならではの魅力です。御柱が4本とも見え、しかも触れるのはこの宮だけです。
上社本宮の特徴と必見スポット


本殿を持たない諏訪造りの代表的な建造物で、建物も4社の中で一番多く残っています。上社本宮は諏訪大社の中心的な存在で、格式の高さが感じられる重厚な雰囲気が特徴です。境内には重要文化財が多く残り、特に拝殿や神楽殿は歴史の重みを感じられる見どころです。荘厳な雰囲気の中で参拝できるため、多くの参拝者が特別な時間を過ごしています。本宮は本殿を持たないため、この幣拝殿に向けて参拝をします。
本宮は他の三社と御柱の建てられている位置が異なるといわれています。他三社は幣拝殿、もしくは本殿に対して右手前→左手前→左奥→右奥の順で一から四の柱が並んでいます。しかし本宮では幣拝殿に対して左手前→左奥→右奥→右手前の順に並んでいるのです。これには諸説ありますが本殿を持たない本宮の御神体は背後にある守矢山とする説があり、この山の方向を正面とすると他の三社と変わらない配置ともいえるのだそうです。
上社ならではの参拝ポイント
上社参拝では、両宮をセットで巡ることで信仰の流れを自然に理解できます。参拝ルートを意識しながら境内を歩くと、歴史的背景や神話とのつながりがより深く感じられます。また、朝の時間帯は人が少なく、清らかな空気の中で落ち着いた参拝ができるためおすすめです。
諏訪大社下社秋宮・春宮の見どころ
諏訪大社の下社・秋宮と春宮は、上社に比べると、町中エリアにあります。しかし、1歩境内に入ると、大きな木々やご神木に守られるような静寂さを感じます。上社とは異なる空気が流れ、参拝者に癒しと和やかさを与えてくれます。
神楽殿と拝殿、左右片拝殿及御宝殿と続く建物の配置は春宮・秋宮と同じです。神楽殿は修改築が幾度となくなされています。大きさこそ違いますが、神楽殿と拝殿、左右片拝殿及御宝殿と続く建物の配置は同じで、春秋両社の建築には彫刻の技が競われています。
最初に鎮座したのは、春宮とされています。その後建て替えが計画された際、高島藩より両社に同じ図面が与えられたため、ほぼ同時期にほぼ同じ構造を持つ社殿が諏訪地方の二つの異なる流派の宮大工集団によって建てられ、両宮は彫刻で技が競われたとされています。
下社春宮の静けさと上品さを感じるスポット


下社で最初に鎮座したのは、春宮と言われています。春宮は秋宮よりも静かで、落ち着いた趣のある宮です。境内には自然と調和した社殿が配置され、春から初夏にかけては特に爽やかな参拝が楽しめます。
イチイの古木をご神体としています。
幣拝殿・片拝殿は国の重要文化財に指定されています。こちらの社殿は地元の宮大工(大隅流)、柴宮長左衛門が請け負いました。当時高島藩お抱えの大隅流と覇を競っていた立川流が秋宮の造営を請け負ったと聞き、同じ絵図面を用いて、秋宮の半額以下で、さらに秋宮よりも遅く始めて一年早く完成させたといわれています。
近くには万治の石仏があり、あわせて訪れる参拝者も多く、ゆっくりと巡れる点が魅力です。
下社秋宮の特徴と境内の見どころ



下社最初の鎮座地であると伝えられ、杉の古木をご神体としています。下社秋宮は荘厳でありながら温かみのある雰囲気が特徴で、境内には巨大な注連縄が掲げられた神楽殿がひときわ目を引きます。冬に行われる御神渡りの神事とも関連が深く、季節ごとの自然の変化と信仰が結びついたスポットとして知られています。彫刻や建築の美しさも見逃せません。
青銅製では日本最大と言われる狛犬を両脇に従える神楽殿は立川流の傑作で、見事な彫刻が施されています
幣拝殿と片拝殿は国の重要文化財に指定されています。
下社参拝の楽しみ方とおすすめポイント
下社参拝では、秋宮と春宮を徒歩や車で効率よく巡ることができます。それぞれの宮で感じられる雰囲気の違いや、周囲の自然との調和を楽しみながら歩くと、より深い参拝体験となります。時間に余裕があれば季節ごとの景観も楽しみつつ、落ち着いた気持ちで参拝すると良いでしょう。
諏訪大社四社の駐車場情報とアクセスマップ
諏訪大社四社巡りをスムーズに行うためには、各宮の駐車場情報とアクセスルートを把握しておくことが重要です。
上社・下社ともに境内周辺に無料駐車場が整備されていますが、混雑しやすい時間帯もあるため事前にチェックしておくと安心です。地図と併せて位置を把握しておくことで、効率よく四社を巡ることができます。
諏訪大社の年末年始は大混雑です。長野では、二年参りといって、大晦日の夜から元日の朝にかけて神社やお寺に初詣に行く習慣があります。交通規制が実施され、臨時駐車場も用意されますが、周辺道路や駐車場が大変混雑します。上社下社それぞれ、初詣の交通規制・駐車場のお知らせをサイトに載せるようですので、事前に確認してからお出かけすることをお勧めします。
【2024-2025】諏訪大社下社初詣交通規制・臨時駐車場について
*下社周辺の年末年始の臨時駐車場情報は、おいでなしてしもすわサイトの新着情報でお知らせされます
【2024-2025】諏訪大社本宮 年末年始交通規制
*上社・本宮周辺の年末年始の臨時駐車場情報は、信州諏訪観光ナビの新着情報でお知らせされます
上社前宮の駐車スペースとアクセスのポイント
前宮は自然に囲まれたエリアに位置し、駐車場は本宮に比べてやや小規模です。参道入口近くに専用の無料駐車場があり、徒歩で境内へ向かうルートは比較的歩きやすいのが特徴です。道幅が狭い箇所があるため、運転には注意しながら向かうと安心です。最近は、前宮のすぐ近くにも無料駐車場ができたので、足の悪いお年寄りでも参拝しやすくなりました。
上社本宮の駐車場情報と地図
上社本宮には複数の無料駐車場があり、境内入口まで徒歩数分とアクセスが良好です。大型連休や週末は満車になることも多いため、早めの到着がおすすめです。また、敷地が広いためマップで出口と参道へのルートを確認しておくとスムーズに参拝できます。
下社秋宮の駐車場と周辺道路の特徴
下社秋宮の駐車場は境内すぐ近くにあり、アクセスしやすい分、混雑時間帯には満車になることが多いエリアです。周辺は一方通行の道路が多く、ナビのルート案内に従うと迷いにくくなります。駐車場から社殿までの距離が短く、家族連れにも利用しやすい環境です。
下社春宮の駐車場と便利なアクセスルート
春宮の駐車場は境内横に整備されており、落ち着いた環境の中でゆっくりと参拝できます。周辺は徒歩散策にも向いており、万治の石仏へも歩いてアクセス可能です。観光と合わせて巡る際にも便利な立地で、駐車場の出入りもしやすい点が魅力です。
諏訪大社御朱印・四社コンプリート記念品
諏訪大社四社巡りの大きな楽しみのひとつが、四社すべてで御朱印をいただき、巡拝を完遂した証としてコンプリートすることです。各宮ごとに異なる御朱印が用意されており、巡る順番によって旅の思い出も変わってきます。四社をすべて参拝した達成感とともに、御朱印帳に並んだ墨書きから歴史と神聖さを感じられるのも魅力です。
御朱印授与所受付時間
拝観自体は閉門時間がないため、参拝は、いつでも可能ですが、御朱印は授与所が開いている時間帯のみです。各社によって開いてる時間は異なります。
各宮社の御朱印受付時間
・上社前宮(茅野市): 9:00~16:30
・上社本宮(諏訪市): 8:30~17:00
・下社春宮(下諏訪町): 8:30~16:30
・下社秋宮(下諏訪町): 8:30~17:00
授与所の時間は変更される可能性があるため、諏訪大社公式サイトの参拝案内で最新情報を確認しましょう。
四社巡りでいただける御朱印の魅力
諏訪大社の御朱印は宮ごとに異なる印章と筆文字が楽しめ、四社巡りの過程をしっかりと記録に残せるのが特徴です。上社・下社それぞれの個性が表れており、シンプルながらも力強い墨書は訪れた証として多くの参拝者から人気を集めています。御朱印帳に四つの印が揃うことで巡礼の達成感を強く実感できます。

上社御朱印

下社御朱印
コンプリートした時の達成感と楽しみ方
四社分の御朱印が揃うと、巡拝の旅が一つの形として結ばれ、より深く諏訪信仰に触れたことを実感できます。順番に決まりはないため、自分の旅行プランに合わせて自由に巡れる点も、旅の楽しみを広げてくれます。また、御朱印帳を見返すことで旅の記憶が鮮やかによみがえり、次の参拝への期待も高まります。
記念品を受け取る際に知っておきたいポイント

四社で御朱印をいただくと、最後の社の御朱印受渡し所で記念品がいただけます。季節の行事や企画と連動して授与されることがあり、訪れる時期によって楽しみが変わるのもポイントです。参拝前に聞いてみるのもいいかもしれません。私は、小銭入れをいただきました。
まとめ
諏訪大社四社巡りは、上社本宮・前宮、下社秋宮・春宮それぞれが独自の歴史と魅力を持ち、参拝するほどに深い感動が得られる旅です。自然とともに歩み続けてきた信仰の姿が随所に感じられ、御朱印や見どころ、駐車場情報を把握しておくことでより快適に巡拝できます。四社をまわる過程で感じる空気の違いや神聖さは、訪れた人に特別な体験をもたらしてくれます。旅のプランを立てる際は、それぞれの宮の特徴を押さえつつ、自分のペースでゆっくりと巡り、心に残る参拝時間を過ごしてみてください。


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